建物を解体工事する際には、解体業（建築業の一種）の免許を持った専門の会社に依頼する必要があります。

 

しかし、そういった会社は自社のホームページを作っている事が少ないため、その会社について情報を得づらい場合がほとんどです。

 

そんな現状で、解体工事開始時に近隣住民へ挨拶や説明を行わなかったり、解体工事後に打ち合わせにはなかった費用を追加で請求するといったようないわゆる悪徳業者と呼ばれるような解体業者もたくさんあります。

 

建物の解体をご自身で業者に依頼する場合、解体業者のどのようなところに注意して選べば良いのでしょうか。トラブルを未然に防ぐ、良い解体業者の選び方についてご説明します。

 

 

登録・許可のある業者かどうか

 

解体工事を行う場合、免許を持っているか登録されている事業者である必要があります。登録されていなかったり、免許を持っていない場合、解体工事自体ができなかったり、廃棄物の運搬 を行うことができません。

 

解体業者との打ち合わせや工事の説明を受ける際に、対応に不安を感じたり詳しく説明をしてもらえなかった場合は、許可や登録番号を確認することをおすすめします。また、解体業者について都道府県に問い合わせると、企業の情報を得ることが可能です。

 

当然ですが、問い合わせた時に解体業者としての情報が無い、解体業者として登録されていない場合は解体を依頼することをやめたほうが良いです。

 

 

安すぎる見積書かどうか

 

解体業者を数社調べて見積もりした場合、調べた企業の中で他社と比べて見積もりが安い企業が出てくるケースが稀にあります。

 

解体工事費用と言っても、作業者の人件費、建物を解体することででる廃棄物の処分費、重機を動かす費用などをまとめて工事費用と言います。

 

そのため見積もりが安いとはつまり、人件費や廃材処分費、使用する重機などを安く抑えるために不法な手段を取っている場合があるということです。

 

もちろん正当な努力で見積もりを安くしているのであれば、なんの問題ありませんが、見積もりが安いというだけで解体工事を依頼すると、思いもよらないトラブルに遭う危険が大きいです。

 

数企業集めた中で見積もりが異常に安い企業を見つけた場合、安い理由は何なのか、事前に確認するようにしましょう。

 

追加工事が多いため、結果的に他社の見積もりより高額になった
解体によって発生した廃棄物の処理が雑なため、現場にゴミが散乱している
契約書やマニフェスト （産業廃棄物管理票）*などの重要書類を出さない
近隣住民への挨拶もせず、クレームがあった場合の対応も良くない
解体工事で発生した損害を補償する保険に加入していない
産業廃棄物処理場ではない所に不法投棄を行う

 

マニフェスト （産業廃棄物管理票）とは？

 

マニフェストとは、産業廃棄物の正しい処理を推進する目的で決められた制度のこと。

マニフェスト伝票に産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、業者から業者へ、産業廃棄物と一緒に伝票を使って廃棄物処理の流れを確認することができます。それによって、不法投棄や不法な手段を未然に防げます。

 

 

不法投棄は当然違法行為であるため、解体業者だけでなく依頼主にも5年以下の懲役や最高1000万円の罰金が科される場合があるため、注意しなければいけません。

 

個人で解体業者に仕事を依頼した場合、正しく処理したことを確認するため、必ずマニフェストのE票のコピーを請求しましょう。
E票には、収集運搬業者のサイン、中間処分業者の受領と処分の受取印、最終処分業者の処分終了日の押印がされていれば、正しい手段で処理をされたことが証明できます。

 

 

トラブルに巻き込まれないために、口頭だけの取り決めで全て進めるのではなく、解体工事の依頼をする前に、しっかりした書面での契約を行いましょう。
また、数社に解体工事の見積りをしてもらい比較し検討することもとても大切です。

 

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